基本の「円」の編み方を覚えましょう
帽子やバッグを編んでいただく上で、まずは基本となるのが「円」の編み方です。
最初は、コースターサイズを編んで練習するのも良いでしょう。
すべての基本はこの「円」から始まります。簡単ですので、みなさんも最初にこの「円」の編み方をマスターして、ぜひ帽子やバッグにチャレンジしましょう。
1章:円の編み方
帽子やバッグ、それぞれ同じ「わの作り目」と「細編み」を使います。
バッグは2本取り、帽子は1本取りで編みましょう。
バッグの場合は、底の中心から。帽子の場合は、トップの中心から円を編んでいただきます。
1−1.わの作り目をする
まずは、わの作り目から初めます。
利き腕と反対の手の中指と薬指の間に端糸10cm位が手前に来るように糸をはさみます。
次に、中指に糸を一周巻きつけます。
かぎ針を中指の先から中指の輪に入れ、糸を2回引き抜き、中指から輪を外します。端糸は右側に垂れるようにしましょう。
過去記事「目からウロコ!知っておくと便利テクニック! 簡単にできる「わの作り目」& 「ブレスレットの作り方」【ワンポイント動画】更新 !」でもご紹介しているので、ご参照ください。
1−2.細編み6目編み入れる
先程作った「わ」にかぎ針を入れて、細編みを6目編みます。
細編みの編み方がわからない方は、こちらの動画をぜひ御覧ください。
1−3.ココが重要!!「増し目」をしながら細編みを編み進める
段ごとに6目づつ、目数を増やしていきましょう。
目数を増やす=「増し目」とはつまり、前段1目に対して2目編みつけることです。
前段1目の頭を拾い、細編みを2目編みつけます。
この増し目を1周に付き6回挿入することで、1周ごとに6目づつ増えることになります。
編み図記号では、細編みを「☓」、増し目を「∨」で表現します。
下図の編み図記号を参考に、各段ごとに6回づつ「増し目」を挿入します。
1−4.増し目の「魔法の法則」
この増し目の挿入には一定の法則があり、コットンラフィアではそれを「増し目の魔法の法則」と名付けました。
増し目の「魔法の法則」=(段数−2)の回数だけ細編みをして、増し目を1回。これを6セット。
例えば、5段目の場合は、細編みを(5−2)=3回行ったのちに、増し目を1回。これを6セット行うことになります。
これを繰り返していくだけで、円がどんどんと大きく広がってきます。
ただし、どこが段の変わり目かがわかりずらくなるため、段の境目には、段数マーカーを使うことをオススメします。
1−5.円をどこまで編み進める?
バッグの場合は、直径20cmになるまで。魔法の法則に従って編み進めましょう。
帽子の場合は、被る方の頭囲÷3.14の直径まで。同じく魔法の法則に従って編み進めましょう。
2章:ワンポイントメモ
2−1.段数を変える時のポイント
一般的な手芸の基本としては、「一度引き抜き編みで段差を揃えて、くさり1目で立ち上がってから2段目を編む」というのが基本です。
ですが、コットンラフィアではその方法は推奨しておりません。
そうしてしまうと、引き抜きの箇所が「手術痕」のように仕上がってしまうので、避けてください。
詳しくは、過去記事【色変えの仕方の解説あり】バイカラーのトートを編みましたもご参照ください。
2−2.あれ?円じゃなくて六角形になってきちゃった!?そんな時の「裏技」
1−4章で解説した魔法の法則通りに「増し目」を挿入していくと、どうしても「増し目」の位置が揃ってきてしまいます。
増し目の位置が揃うと、そこが角のように尖ってみえて、六角形のような見た目になってしまいます。
でも、心配しないで!それは、あなたがきちんと編み図に忠実に編めている証拠です。何も間違ってはいません。
角が目立った時に、ある「裏技」を使えば、段々と角がとれてなだらかなカーブを描く「円」に補正されてきます。
2−3. では、その「裏技」とは?
一言で言うと、「ずらす」のがポイントです。
「増し目」の位置が重なってしまわないように、角が目立ってきたら、次の1周だけ法則のリズムを崩します。
その角(増し目)の上には細編みをしましょう。そして、角の2つ左の目に増し目をします。
その「増し目をずらす」行為を1周行うだけで、見違えるように形が補正されます。
その後の段は、また法則通りに編み進めるだけです。
そうすることで、目立っていた角がだんだんとれて、なだらかなカーブに補正されていきます。
角が再度目立ってきたら、その次の段で「裏技」を1周行う。そうすることで、再度形が補正されてきます。この「裏技」を使うことで、誰でも綺麗な「円」を編むことが出来ます。
2−4.「円」を編み終えたら、スチームアイロンしましょう
目的の直径まで編めたら、まずはスチームアイロンを掛けてください。過去記事「驚き!ぺしゃんこの帽子が簡単に復活!!一体どうやって!?」でもお伝えしたことがあります。スチームアイロンをあてることで糸が水分を吸収し、形を整えることが出来ます。動画はコースターで実践しています。
コットンラフィアはコットン由来なので、中温でOKです。
アイロンを中温で準備し、作品全体にスチームをしっかりとあてます。その後、あて布なしでアイロンをしっかりと押し当てるようにかけます。
アイロンをあてたあとの「円」は表面の凹凸がプレスされた状態になり、平たく成形されます。
この補正力こそ、コットンラフィアの魅力の一つでもあります。かぎ針初心者の方にこそ、ぜひともコットンラフィアを試していただきたいです。
3章:「円」を覚えたら、次は作品を編もう!
最初はコースターサイズから練習してみるのも良いかもしれません。
以上のプロセスで円の編み方をマスターし、「円」を綺麗に編めるようになったら、次はバッグや帽子の作品を実際に編んでみましょう!